「Cute Aggression」西村穂希誕生日記念shortstory

※2023/11/11にグーグルドキュメントで公開した物の再掲になります。

「Ladies&Gentleman,Boys&Girls.…ようこそ、私の誕生日パーティーへ。」

指揮者風のソロ衣装に身を包み、タクトを持った私がステージに上がった。 きりっとした顔を作ってステージに上がったけれど、私のガラじゃないからすぐに笑ってしまった。

 「・・・へへ、私はまじめにかっこいいってのはあんまり合わないかも。」 

「素敵ーー!!」「格好いいのも可愛いのも好きだよーー!!」

と嬉しい声が聞こえてくる。 

「ありがとう!!やっぱり、ステージに立つって楽しいし嬉しいや……。」 

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 私は元々はとあるミュージカル劇団の子役だった。小学生1年生の頃に親に連れられて行ったミュージカルを観劇して、こう言ったのを覚えている。

 「ママ!!私もあの人たちみたいに歌って踊ってお芝居したい!!!」

 親はその時、そんな簡単になれるものじゃないよってたしなめたそうだ。

その時私は「そっかぁ……。」と一時収まったらしいのだけれど、その時の楽曲やお芝居が頭から離れなかったらしく、1ヶ月ずっと歌や芝居を真似し続けていたそうだ。確かにあの時の楽曲は今でも私は大好き。

 その様子を見た両親は、『この子は本気なんだな』と思ったそうで、劇団のオーディションを受けさせてくれた。 そうして受かった劇団で子役として色んなミュージカルに出演してきた。

 特に評判が良かったのは、みんなを巻き込むムードメーカー的な立ち位置の役どころ。 お客さんも、キャストも、照明や音響などのスタッフも、みーんな巻き込むくらいにやってやろうと思って思い切ったのが良かったらしい。確かに私もそんな役がいちばん楽しかったなぁと思う。 

 それから月日はすぎて、中学3年生になり、高校受験を考える時期になった。 同じように子役をやっていた子達がみんな少しずつ卒業していって、みんなそんなもんなのかな、と思って私もミュージカルから離れてしまった。今もミュージカルしていたら、また別な姿になっていたのかな。

 そうして、高校2年生に上がるタイミングになった。大学や専門学校受験や就職を考え始めなきゃいけない時になって、私が一番に思い立ったのは、やはりステージだった。

 【もう1回、私が、お客さんも共演者もスタッフもみーんな巻き込んで楽しいステージを作りたい。】 

ブランクが空いてしまっているから不安は正直あった。でも、小さい時からやっぱり性格は変わらなくて、そう思い立ってからずっと次はどんなステージに立ちたいのか、調べ、考えていた。 その時、見つけたのが「新アイドルグループメンバー募集」。……「Cute Aggression」のアイドル募集だった。

 謳い文句は「貴方だけの、貴方らしい"可愛い"をステージで」

 私にしかできないステージ、それはきっとみんなみーんな巻き込むステージ。きっとぴったりなんじゃないかなと思って、応募した。 美弥子をはじめ、素敵な仲間にも出会えて、とても充実した活動ができている。 

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 「みんな!私の"指揮"に合わせて盛り上がる準備は出来てる!?」

 【イェエエエエエエエエエエイ!!!!!】

 私はこれからもステージをみんなと作っていく。何となく周りに流されて、本当にやりたいことを見失いそうになることなんて無いように。この楽しい空間が、ずっとずっと続くように。 

Heartfelt Voice Project

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